齋藤省より代表取締役退任のご挨拶
謹啓
若草の季節となりましたが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
お陰様で、弊社も1994年1月の開業から車いすと共に歩みながら、満29年を迎えることができました。これもお客様との関わりの歴史や、取引業者様に支えて頂いたご縁の賜物であると感謝しております。
この29年間を振り返りますと、試行錯誤を重ね、障がいを抱えた方が、何に悩み、何を求めているのか。ささやかな段差がどれほどの危険につながり、どれほどのあきらめを生み出すのか。そして、新たな機能の開発がどれほどの自由をもたらすのか、一つ一つ学びながらの挑戦でした。生まれて初めて外出できた人、自分一人の生活が可能になった人、電動車いすの全国大会に出場し優勝できた人もいました。車いすが一人ひとりの可能性を開いてゆくことに大きな感動と喜びを感じてきました。
これまでに、車いす技術を学んだ社員8名が工房から巣立ち、それぞれの地域で開業。弊社もユーザーの皆様の声から生まれた多機能6輪型電動車いすレルシリーズやレルミニシリーズを市場導入。私も微力ながら6輪型電動車いすのJIS規格化にも関わることが出来ました。
そしてこの度、さいとう工房の代表取締役を退任し、新たに「さいとう研究室」を立ち上げることといたしました。車いすのみならず「必要とされるもの」の開発に邁進してゆく所存です。
「さいとう工房」は信頼できる後進に後を託し、新体制の下で更なる拡充を図って参ります。これからも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
敬具
さいとう研究室 室長 齋藤省